旦那様は社長
【悠河Side】
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「ただいま」
リビングの扉を開けると、電気すらついていなかった。
「光姫?いないのか?」
確かにさっきはマンションにいると言っていた光姫。
だけど、リビングのどこにもいない。
寝室で眠っているのかもしれない。
そう思って、ゆっくり自分の寝室へ向かう。
さっきの電話でも何か思いつめているようだった。
あれほど1人で抱え込むなと忠告しておいたのに。
光姫は何でも自分1人で解決しようとするから、時々何のためにオレがいるのか、結婚しているのか分からなくなる。
光姫には何の不満もない。
秘書として、妻として、公私に渡って本当によくオレを支えてくれている。
ただ1つだけ挙げるとすれば、何でも完璧にこなしてしまうことかもしれない。
たまにはオレのことも頼ってほしいと思ってしまう。