旦那様は社長
※※※
「気がついたか?」
「……え?」
「お前、急に意識なくしたんだよ」
「今、何時?」
「もう夜の9時。それにしても随分頑張ったな?オレたち」
本当に……。
初っ端からこんなに頑張らなくても……って呆れるくらい、あたしたちは頑張った。
だけど何も覚えてないフリをする。
「……知らない」
「失神するほど気持ちよかったってことだろ?」
「バ、バカーーッ!!」
恥ずかしくて社長の胸に顔をうずめた。
「やっぱ最高だわ、お前の身体」
「もうホントにやめてッ!!」
絶対あたしで遊んでる、この人。
「照れんなよ。オレ、女を抱いてこんなに満たされたの初めてだ。愛ってすげー!!」
優しい声と優しい手つきであたしの頭をゆっくり撫でる社長。
「あたしも幸せ」
もうこのまま時間が止まってくれればいいのに。
しばらく2人で幸せの余韻に浸っていたい。
だけどそんな幸せな時間は、社長の次の言葉で一瞬にして壊された。