旦那様は社長
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ーーーー…


「よく来てくれたね、光姫さん」


「お久しぶりです会長」


笑顔が引き攣る。

あたしは常識を遥かに超えた有栖川家のお屋敷の広さに圧倒されてしまっていた。


「広い……お屋敷ですね」


門を潜って、更に車で５分って……。


『たかだか東京ドーム６つ分くらいしかないぞ』


そう教えてくれた社長も、ドーム６つを『たかだか』と表現する時点で常識がぶっ飛んでいる。


あたしは本当に有栖川家の一員としてとけ込んでいけるのか、急激に不安が襲う。


「この屋敷も、いずれ悠河と光姫さんの住居になるんだよ？」


「え、そうなんですか!?」


そんなの聞いてない。

隣に座る社長を見上げると、素知らぬ顔で平然とお茶を飲んでいる。


「私が隠居したらの話じゃが」


あぁ、そういうことか。


妙に納得してしまったけれど、きっとそうなるのはまだ当分先の話。


会長は今も、若々しくご健在だから。


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