旦那様は社長

「ふーん」

そう意地悪そうに呟きながら、社長はあたしに近づいてきた。


「ち、近いんだけど」


そんなにマジマジと見られると、ますます恥ずかしくなって目を合わせていられなくなる。


でも、世界は自分中心に回っているんだと思っている社長には、そんなことお構いなし。


「いいじゃん、オレたち夫婦なんだから」

なんて平気で開き直る。


都合のいい時だけ夫婦とか言うなーーッ!!


そして社長は、あたしも想定外な行動に出た。


「きゃッ!!」


< 56 / 334 >

この作品をシェア

pagetop