旦那様は社長
あたしたちの結婚は外部には秘密。
あたしじゃ妻として堂々と紹介できない……なんてふざけた理由によるもの。
だけど正直なところ、秘密のままの方があたしも仕事が進めやすい。
周囲から余計な詮索はされたくないし、仕事は仕事だと割り切りたい性分だから。
ただ、あたしだと自分の価値を下げてしまうという社長の理由が大いに気に入らないけれど。
「おはようございます、社長」
「あぁ、おはよう」
こうして今日もまた、社長と秘書の関係が始まる。