旦那様は社長
あたしはその後ろ姿を目で追いながら、
「続き……?」
社長の言葉をリピートする。
そしてその意味を理解した時、頬が熱くなるのを感じた。
「つ……続きなんてあるかーーッ‼」
社長の背中が少し震えていた。
声を殺して笑っているんだ。
また……遊ばれた。
「笑いたければ声出して笑いなさいよ‼」
混乱しすぎで意味不明のことを叫び、勢いよく社長室を飛び出した。
「あたし、何やってんの……」
さっきの出来事を受け入れていた自分が、そして更に社長を求めていた自分が……
信じられなくて頭が混乱していた。
社長もどうしてあたしにあんなことを?
だけどいくら考えても答えは出ない。
ただ言えるのは……
あたしの気持ちが、この出来事を機に少しずつ変わり始めたということ。
「あたし……どうしちゃったんだろう」
この答えに気付くのは、まだ少し先のお話。