【探偵ピート・ジャンセン】
こうして二人は徐々に
話す様になり、親友と呼べる
までになっていった。
それに、サラは彼女と何処かで
昔、会っている様な親近感も
憶えていた。
二人が知り合って半年になる
ある日の昼時に、
ランチをとる学生達からは
離れた木陰でターニャが
赤い液体を飲んでいる所を
サラが偶然目にしてしまった
事があった。
興味本意で、それが何か
ターニャに尋ねると、貧血を
治す薬だと答えた。
サラはそれが血液であると
悟ったが、
一見、風変わりではあるが、
それまで接して来たターニャは
懐かしさを覚えるものの、突然
突き放さなければならないほど
の危険人物に豹変するとは
到底、思えなかった。
サラはその後もこれ迄通り、
ターニャに接してくれていた。
仲間達は最初の出会いが
災いして、相変わらず彼女と
距離を置いていたが、
サラだけは何時でもターニャの
味方だった。