【探偵ピート・ジャンセン】



『サラは完全に彼の意識に
由って生かされてるの。

私の時とは違うのよ‥。

言ってみれば、彼女は
伝説で語られるヴァンパイアの
典型で、私は突然変異の
様なもの‥。

私に咬み付いたのも正真正銘の
ヴァンパイアだったけれど‥

咬まれた直後、私は海に
転落して‥

そのまま漂流して数日後に
太陽の照り返しで目醒めたの。

自分がどうなったのか
直ぐには理解出来ずにいたわ。

ただ、漂流している間に
私の心臓は一旦停止して‥

再び鼓動を打ち始めた時、
急激に貼り付く様な喉の
渇きを覚えたの‥。

必死で抑えようとしたわ!

私には、こうなる前の記憶が
残っていたのよ。

だから努めて理性で自分を
コントロールする様にしてた。

私をこんな風にした
ヴァンパイアは、私が
生きている事を知らない筈よ。

だから意識も完全に遮断
されて、独立する事が
出来たのよ。』


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