【探偵ピート・ジャンセン】


ある夜、オフィスで調べ物に
没頭していた私は、そろそろ
帰宅しようと

身支度をしながらポケットの
中の鍵を探っていた。


そこへ、その手を止める
ノックの音が響いて来た。


こんな時間、況してや
アポイント無しの訪問に、


『本日の受付は終了しました。
明日の日昼にお越し下さい。』


と、ドア越しに追い返すつもり
でいたのだが、

ノックはドアを開けるまで
鳴り止まず、


渋々ドアを開けると、そこに
彼女が立っていた。


探偵と言う仕事柄か、目の前の
婦人がいきなり銃を突きつけて
発砲するような人物でない事は
直ぐに判ったし、


何よりも彼女の美貌に
一瞬にして追い返す理由を
忘却させられてしまったのだ。



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