【探偵ピート・ジャンセン】


傍らに一羽のアルバトロスが
羽根を休めてる。


ターニャはその後の
自分自身の行いが理解
出来なかった。


鳥を殺め‥

その血を‥


ターニャの脳裏にあの
惨劇がフラッシュバックする‥


温かい感覚と共に急速に
喉の渇きが癒えてゆく‥


ターニャはこれが全て
夢の中の出来事で、
現実ではない、ただの
悪夢であれば良いと願った。


しかし天と地は尚、残酷な
現実の中にターニャを置き去り
にしたままだった。



全てはあの男が‥



ターニャはよろよろと
立ち上がり、虚ろな目で
街の灯りを求め歩き始めた‥



これがターニャにとっての
残酷な“永遠の孤独”の
始まりだった。


温かな家族も、自分自身も
一瞬にして全てを失って
しまったのだ。



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