【探偵ピート・ジャンセン】
潜入~危険なオークション
今夜も倉庫の前に一台の
トラックが停止した。
一昨日、目にした光景が
再び展開されている。
ターニャは車を降りると
夜の闇に同化し、
気が付くと既に案内係の
目の前に立っていた。
案内係に促され、簡単な
チェックを受けると、
ターニャは難無く扉の奥へと
消えて行った。
『ようこそ!
紳士淑女の皆様!
今宵も新鮮な商品を多数
ご用意致しております!
前置きは必要無いでしょう‥
先ずはロットナンバー1
毎日のレッスンで
鍛え抜かれたロシアの
美しきバレリーナ‥
血液型はRh-AB‥
ひじょ~に価値ある逸品。』
倉庫内に積み荷は無く、
前方に設けられたステージ上で
タキシード姿のオークショナー
が、大きな麻袋の口を開けて
中から一人の小枝の様に細く
しなやかで美しい娘を引き摺り
出した。