【探偵ピート・ジャンセン】
『 危うく
撃ち殺されるところ
だったわ! 』
『済まない!
しっかり掴まってろ! 』
ドアも閉まりきらぬ内に
タイヤが凄まじい悲鳴を
挙げた…
レンタカーは急発進で
土埃を上げながら徐々に
倉庫から遠ざかって行く‥
倉庫から二人ほど
恐ろしい形相のヴァンパイアが
飛び出して来て、
此方に向かって
黒い影となり
襲って来た!
ピートがすかさず撃つ‥
的確に放った弾丸は
瞬時にヴァンパイアを砕き
瞬く間に炎上させた。
更に倉庫から次々と
ヴァンパイア達が
飛び出して来たが、
外は既に太陽が昇り、
凛とした清々しい空気に
包まれていた。
断末魔の叫びと共に
炎が上がる‥
ピートは、倉庫の中が
どんなに危険な状態
だったかを想像して
身震いした。
ターニャは先ほど見た
バレエダンサーの
血の色に触発された
喉の渇きを
必死に抑えていた。
『 お願いよ~、
血液バンクに寄って頂戴‥ 』
『 もう少しだ。
我慢してくれ‥
コーヒー飲むか‥?』
『 んもぉ!
噛みつくわよ! 』
二人はお互いを
下手な人間同士よりも
信頼し始めていた。