【探偵ピート・ジャンセン】
新たな敵~探偵の過去
二人は途中、ターニャの
希望通り、血液バンクに
寄ってから部屋へと
戻った。
あの倉庫の中で
何が起こっていたのか、
彼女が一部始終を語って
聞かせてくれた。
囚われていた人々が全員
無事だったかどうかは
定かではない。
明らかなのは、もしも
ヴァンパイアの生き残りが
居れば、
今後、ターニャの
夜の外出が危険に
なったという事だ。
二人が後にした倉庫内では
ヴァンパイア VS 邪悪な
人間達の壮絶な戦いが
繰り広げられていた。
太陽光と、ほぼ同等の
紫外線を含んだ
時差ボケ等の体内時計の
調整治療に用いられる
ライトを照射し続けられて
いたのだが、
一人のヴァンパイアが
ステージ袖の照明をつけた
男の元へ飛んで行き、
喉元に鋭い牙を
突き立てると、一気に
その血を貪った。
ライトで焼けただれ、
ケロイド状になっていた
腕や顔の皮膚が、みるみる
元通りに癒えてゆく‥
男を抱えたまま
空いている方の手で
照明の電源を落とし、
今度はオークショナーの男に
襲いかかろうとしていた時だ!
倉庫内に数人の
銃を持た男達が雪崩れ込み、
手当たり次第
ヴァンパイアに向けて
乱射し始めたのだ。