【探偵ピート・ジャンセン】
彼等が放った弾丸は、
多少のダメージになる
ものの、致命傷には至らず、
それどころか、彼等は群がる
ヴァンパイア達の恰好の
餌食となっていった。
あちこちで血しぶきが
上がり、ヴァンパイア達の
銃弾を受けた傷も、
ケロイド状の火傷も
瞬く間に癒えていった‥
オークショナーの男は、
ライトの電源を落とした
クラウスと言う名の
ヴァンパイアによって
無惨な姿でステージ上に
バラ撒かれた。
一人のヴァンパイアが
麻袋の中の人間達が
消えているのと、
あの見慣れない
ヴァンパイアの女が
居なくなっている事に
気付いて声を上げた。
麻袋の中の人間を
落札していたヴァンパイア達が
怒りを露(あらわ)にして
次々と表へ飛び出してゆく‥
他の者達も続々と
その後に続いた。
そんな混乱の中、
ただ一人
クラウスだけが冷静に
様子を窺っていた。