【探偵ピート・ジャンセン】
『私が何者なのかは
私にも解らない‥。
少なくとも人間だった事は
間違い無いわ。
それに、彼女達を殺したり
なんかしない!』
『お前には人間だった頃の
記憶があると言うのか?
闇の申し子では無いと
言うのか‥? 』
『 解らない!!!
‥ただ言える事は、
私をこんな風にした
あの男を憎んでる!
父と母を手にかけた
あのルシアスと言う名の
ヴァンパイアを!! 』
『なに‥?
ルシアスだと‥?
そうか、お前はルシアスに‥ 』
『ルシアスを知っているの?!
奴は何処なの! 』
『あぁ、知っているさ。
まさかなぁ‥
お前の様な娘が居たとは‥。 』
『娘なんかじゃない!!
私の父はトーマス・ブラウン
ただ一人よ! 』
『我が妹よ‥。
ルシアスはお前の父でもあり、
私の父でもあるのだ‥。 』
『ならば、
貴方もルシアスの‥
手にかけられた者‥。』
『黙れ!!
永遠の命を授かった
我々は、
択ばれし者なのだ!
何故、お前だけが‥
太陽の祝福を承ける事が
出来るのだ! 』
ターニャは足元に
身を斬る様な一陣の
鋭い風を感じた‥
気が付くと彼女の脚に
血が滲んでいた。