【探偵ピート・ジャンセン】


サラの意識は完全に支配
されていた。

彼女の傲慢な笑い声が響く中、
その隣にあるサイバスの棺の
蓋が開き、


サイバスがゆっくりとその身を
起こした。


『これはこれは‥

君がこうして来る事は察しが
ついていたよ。

この間からそこら辺をガサゴソ
と動き廻るネズミがいた
様だしなぁ…。』


サイバスが嘲る様な笑みを
浮かべ、ピートの方を見た。


ピートは彼等の死角で持って
いる小型の武器を握り締め、
身構える。


『なんだ?

君はまだ下等な人間に憧れを
抱いているのか?

それともサラの言う通り私への
土産にその男を連れて来た
のか?』


『彼は私の‥恩人よ!
私の唯一の親友を貴方が
奪ってから、

私はずっと孤独の中に居た‥。

以来、ピートは初めて心を
許せた存在よ!』


『心を許す…?
僕(しもべ)にか?』


『彼は僕(しもべ)なんか
じゃない!

対等な立場よ‥。

貴方はサラの意識を奪い
ただの操り人形にしただけ。

サラが一緒に居るのは本当の
彼女の意志ではないわ!』




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