【探偵ピート・ジャンセン】
暫くして炎が収まり、
彼女の焦げた服が溶けて
腕や脇腹にぺったりと
貼り付いている。
ターニャは、その場に
崩折れた。
『ターニャ!しっかりしろ!
血液パックが車にある。
直ぐに取って来る。
じっとしてろ‥!』
ピートはレンタカーの場所へと
急いだ。
力無く横たわり、鼓動と共に
脈打つこれまでに無い皮膚の
痛みと喉の渇き‥
おぼろ気な意識の中、
動く事の出来ないターニャの
前に何者かが立っていた。
『…ート…な‥の…?』