【探偵ピート・ジャンセン】
永遠分の一‥始まりの時
『・・ート、ピート…
目を醒まして…』
何者かが私の名を
呼んでいる‥
眩しい…
温かい陽射しだ‥
しかし何故か寒い…。
喉が貼り付く様に…
此処は何処だ…?
『ピート。目を醒まして…。』
恐る恐る私は目を開けた。
そこにはターニャの姿が
あった。
『 私は‥いったい‥ 』
私は一艘のボートの上で
目醒めていた。
どうやら私は陽射しの下で
蘇ったらしい。
ターニャが
スポーツドリンクの
容器を手渡してくれた。
私は無我夢中でその中の
液体を飲み干す‥
激しい喉の渇きが癒えてゆく‥
私は助かったのか‥?
喉の渇きが落ち着くと
ターニャがすべてを
話してくれた。
クラウスは私が放った
最期の弾丸により炎上し、
呆気なく葬られたらしい。
私の血により再生した
ターニャは、我に還ると
傍らに横たわる私の名を
何度も呼び続けたらしい。
『ピート、ピー‥ト‥
起きて!駄目よ!
貴方を死なせたりなんか
しない‥
生きるのよ!
ピート‥。
一緒にジャクソンビルへ
帰るって‥
言ったでしょ…?
貴方を‥。
‥愛してるわ‥。
起きて!!! 』
ターニャは脱け殻となった
ピートの体を幾度も
揺り起こし、その胸に
抱き締めた。