白雪姫が目覚めた頃に

白雪




城下町にて…





ザワザワ




「おーい、白雪。」




「なんだい、親父ぃ」


がくっ 大工の父はうなだれた




「白雪、頼むからもちっと女の子らしくしてくんねぇか」



「はぁ!?!?」



「いや、だってよぉ。てめえ、それじゃ嫁の貰い手もねぇぞ」




「けっ、余計なお世話なんだよ。」



「せーっかく白雪なんて名前つけてやったのによ。やっぱ男親だけじゃガサツにもなっちまうか」



ユラリ



「おいこら、聞き捨てなんねぇな。誰がガサツだよ」





「あっ……い、いやぁ良い天気だな。とっとと家建てちまうかぁー!!」



「話そらしてんじゃ……ねぇよ!!」




ドカっ



「ぐはぁっ!?!?」



まずは腹に蹴りを一発



ガスッ ドゴッ バキッ


続いて脛、顎、頬に蹴りと拳を喰らわせる




「てんめぇぇ、この野郎、父に対する尊敬と愛情はどおしたぁー!?!?」



「なんーだ、それ。ワケわかんね。キモッ」


「敬え崇めろ奉れ」




「死ね」




「天国のマイハニー!!俺達の愛の結晶が酷いこと言いましたぁぁぁー!!」



「…………他人の振りしていいか?」




ハイテンションが止まらない父親に




既に怒りとかは通り越して呆れるしかない白雪……




通行人の皆様方も、もはや同情の目を向けるだけ




その様子を林檎売りの老婆に変装した女王様が、じーっと凝視していた




すると、その視線に気づいたのか




振り向いた白雪と、がっつり目が合ってしまった






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