白雪姫が目覚めた頃に

毒林檎




ツカツカツカ



「よぅ、婆さん。こんなとこでどうしたんた?」



ニッと笑う白雪に、老婆な女王様はチャンスとばかりに喋りだす




「私わ林檎売りの婆ぁだよ。美しいお嬢ちゃん、真っ赤な林檎はいらんかね。今朝もいできたばかりの新鮮な林檎だよ。よーく熟していて、とっても甘いよ。今なら出血大サービスの無料お試し中で味見をさせてあげよう。さぁ、一口御上がりよ。」





「……よく息続いたな。」





「ヒッヒッヒ。さぁ御上がり。」





「悪ぃーけど林檎嫌いなんだよな。」









「………………はい?」



「だから、林檎嫌いなんだって。」




「えっ、えーっと、あの?」




「チッ。耳の遠い婆さんだな。」




どんだけ口の悪い白雪姫なんですか!?




「林檎とかいらねぇからさ、代わりに売上金くれや。」




魔法の鏡よ、この娘で合ってるの? by女王様



合ってるハズなんですけど‥ by鏡




「おい、聞いてんのか。さっさと金よこせ」



「あっ…は、はいν」



白雪のあまりのドスのきいた声と鬼女のような顔にひるんで




普通に渡してしまいました…



だってめちゃくちゃ恐いんだもの!! by女王様



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