楽園まで行けたなら



あたしを創った博士は、きみは息子の希望だ、と言って、「HEAVEN-type.C」とあたしを呼んだ。

「HEAVEN」と言うのは、人間が愛する者を失った悲しみに耐え切れず創り出したしゃべる人形のことだ。

博士は出来たばかりのあたしの調整をしながら、あたしの構造を説明していく。

食物は摂取するな。水気の多い場所では気をつけなさい。
それから――


「悠斗を、幸せにしてやってくれ」


博士はあたしの肩を掴んで、そう言ったから。あたしは『ゆうと』を幸せにしてあげようと、思った。

博士やゆうとの友人たちによって、あたしは「夏帆」の情報を入力されて、何パターンかの言葉を覚えた。

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