幼なじみのキス


ガチャ―――

「広ーい!」

「お前んちよりは小さいけどな。」


その部屋にはなにも置かれてなかった。


「春、ベットとかどうすんだ?」

健はそう言いながら、中に入って荷物をどすっと置いた。


「これから買うの。」

あたしも健に続いて中に入った。

すると、健が後ろを振り向いた。


「今日お前・・・どこで寝る気?」


あ・・・考えてなかった・・・。


「寝るところない・・・。」


そう言うと健がすごく柔らかく笑った。

「んじゃー、俺のベットで寝ろよ。」


「え?・・・健はどこで寝るの?」


「俺はいいんだよっ!」


そして健は部屋を出て行った。

出て行く時、あたしの頭をポンポンとした。



健は小さいときから、あたしの頭をポンポンってする。

コレをされると何故か落ち着く。



あたしはポンポンされた頭に手を置いた。

なんでなんだろう・・・。

「ま、どうでもいいや。」


あたしは1人で呟いてから部屋を後にした。



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