幼なじみのキス
「なんで出張なのに荷物がなくなってるの!?いつもどおりに行けばいいじゃん!」
あたしは今までになかった事に戸惑った。
「だってぇー、今回の主張は半年ぐらいになっちゃうんだもん。」
ママはハートが最後に付きそうな声でまた言ってきた。
「半年も春を家に1人にしてられないだろう?だから、この家は壊す事になったんだよ。」
パパはオットリした声で言ってきた。
2人ともあたしを馬鹿にしているのだろうか。
たしかに馬鹿だけど・・・。
「え?それじゃー・・・あたしあっちの高校に転校しちゃうの??」
友達もたくさんできて、これから楽しい高校生生活が送れると思ってたのに・・・
そう思うと、目の前が潤んできた。
すると、パパがあたしの前まで歩いてきた。
「大丈夫だよ。春は転校しなくてもいいんだよ?」
パパはあたしの頭を撫でながらニッコリ笑った。
あたしは訳が分からずに「?」が頭についてた。