幼なじみのキス
は、速いっ!!!
今までこんなに早く走った事ないよ・・・。
「けーんー!速いよぉー!」
「はぁ!?こんなの遅いだろ。」
健は、こっちも見ないで答えた。
これで遅いとか・・・いつもどんだけ速いんだよぉー!!
あたしは何回も転びそうになりながら、必死に走った。
走ったと言うよりも、引っ張られてるんだけど。
「はぁ、はぁ、」
「春!大丈夫か?もう少しだ。頑張れ!」
やっと健はこっちを振り向いた。
「うんっ」
やっと学校が見えてきた。
「まだチャイムなって!間に合うぞっ!」
学校が近づくにつれて、だんだんと手が離れていく―――。
校門のところを曲がると、完全に手が離れた。