幼なじみのキス
拓は健の家の前で止まってくれた。
拓と健は、けっこう仲良し。
家にも頻繁に遊びに来ていた。
そのせいもあってあたしの家にもよく来ていた。
「今日は送ってくれてありがとー♪」
「また今度、一緒にチャリ乗ろうな♪」
「うんっ!」
すると拓は、解体途中のあたしの家を見た。
「もう、この家には入れないんだな・・・。」
あたしも拓の目線を追って家を見た。
「・・・しょうがないよ。」
拓は遠くを見ているような、そんな目をしていた。
「あー、寒くなるからもう中に入れよ!」
「うん!ばいばいっ!」
あたしはワザと明るく言った。
それが拓には分かったのか、拓も明るく笑った。