幼なじみのキス



拓は健の家の前で止まってくれた。




拓と健は、けっこう仲良し。


家にも頻繁に遊びに来ていた。


そのせいもあってあたしの家にもよく来ていた。



「今日は送ってくれてありがとー♪」


「また今度、一緒にチャリ乗ろうな♪」


「うんっ!」





すると拓は、解体途中のあたしの家を見た。






「もう、この家には入れないんだな・・・。」





あたしも拓の目線を追って家を見た。





「・・・しょうがないよ。」





拓は遠くを見ているような、そんな目をしていた。





「あー、寒くなるからもう中に入れよ!」


「うん!ばいばいっ!」





あたしはワザと明るく言った。





それが拓には分かったのか、拓も明るく笑った。


< 41 / 47 >

この作品をシェア

pagetop