泡夏
雛
十六のアタシは不器用で、たくさんの人を傷つけた。
「美月帰ろ!」
ぼんやりと窓の外を眺めていた、私はハッとした。
「ナニナニ?何みてたの?」
明菜は窓から身をのりだした。
「あー!!貴樹先輩だァー
カッコイイ!!
絶対二十五日の夏祭り誘うゾー!!」
そう言う明菜を私はぼんやりみた。
そして、視線を貴樹に向けた。
彼は部活動で野球をしていた。
この高校の野球部は強いらしい。
私が入学した当時から
貴樹先輩はその野球部のエースという事もあって、
女子たちの注目の的だった。
噂によると
頭も良くて、人望が篤い完璧人間で、
他校の女子にも人気があるそうだ。