泡夏
「そんなんじゃねーよ」

俺は夕日の茜色に染まる空を見つめながらいった。


「おーい、お前ら早く帰れー!!」

顧問が校舎の窓から叫んだ。


「ウィース!!」

野球部員は声をそろえて返事した。


みんなとは駅が違うので帰り道の途中で分かれた。

駅のホームに入ると、ふと美月らしき人影を見た気がして
人が溢れる中かき分けて追いかけた。

「みつ・・・」

美月と呼ぼうとしたのを途中で声が消えた。


俺は自分の視界に映る美月と彼女と親しげに話す男を茫然として見た。

人が行きかう所で立ち止まっているので迷惑そうに俺をみるサラリーマンなどの目線も気がつかなかった。


頭には美月とさっきの男はどのような関係なのだろうか?
という疑問でぐるぐる回っていてそれどころではなかったのだ。






















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