泡夏

それから家についても俺はさっきの事が頭から離れられなかった。


美月、あいつと付き合ってんのかな。

くっそ、あんなオッサンにとられるなんて納得いかねェし。



「あーー!!」

そう叫んでベットから起きて頭をかきむしった。


こんなに俺が悩むなんてな・・・

前まではありえなかった。

俺は自嘲的に笑った。



「貴樹さん、どうしたんですの?」

躊躇いがちにドアがノックされて母さんが入って来た。

「母さん、突然大声だしてすいません」


「貴樹さんが叫ぶなんてビックリしてしまいましたわ」

母さんの前では優秀な子でいるから無理もないか。


そんな優秀な俺はニッコリ笑って

「少しストレスが溜まっていたのかもしれません。

母さんに心配かけてしまってすいません」

と答えた。




< 30 / 72 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop