泡夏
「そうよ、こんなに美人な母ににてる娘なんだから
落としてきなさい。
好きな人いるんでしょ」
お茶目に片目をつぶる母さんに私はギョっとした。
「なななななんんの話ッスか?」
「気づいてないと思ってたの?
あなた、最近恋する乙女の顔をしてたわよ」
そんなバカなっ
明菜とのことで悩んではいたが、
恋に現を抜かしていた時はなかったゾ。
そんな私をよそ目に母さんは得意そうに胸を張って
「母さんの目をみくびらないでちょうだい」
「何っ!今の事は本当なのか!!」
父が血相変えた。
「あなた、子供の恋愛に口をはさむのはやめなさい。
みっともないわよ」
母さんがなだめる。
「しかしだね、美月はまだ高校生だよ。
まだ子供じゃないか」
父が不満を言う。