泡夏
「ねえ、美月が好きになった男の人はどんな方なの?」
髪を櫛でとかしながら母さんが聞いてきた。
「・・・すっごくカッコいい人だよ。
その人野球部なんだけどね、彼がボールを投げてそれがキャッチャのグローブに収まる音が大好きなんだ。
最初はそれだけだったんだけど、
彼の野球してる姿が眩しくて、気がつくと普段から目が彼を追いかけるようになってたの」
親に何はなしてるんだろ。
恥ずかしくなってきた私は頬に熱を感じた。
そうすると頬を母さんの手に包まれた。