泡夏

「だからね、美月もがんばってその恋実らせてみなさいよ。

恋に障害はつきものよ」

私はさすが私の母だなって思った。

よく私のことを分かってる。


「うん、頑張ってみる」


「はい、出来たわよ」

鏡をみると私の髪は高いところに上手にひと纏めしてあって、
そこに赤い花が差し込まれていた。


鏡の中にいる私はいつもとまったく異なる
鮮やかな自信に満ちた微笑を浮かべていた。




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