泡夏
ふと横を見ると彼方と美月が何やら楽しそうに話していた。
それを見た瞬間、胸がジリジリと焼けるのを感じた。
それはもうおなじみの痛みになっていた。
美月と歩いていた男と美月の関係を考える度にこの痛みを味わった。
でも、自分の知り合いである彼方が美月と仲良くしてる姿を見ていると、何故だかその痛みとともに更なる暗い感情が心を支配していってる気がする。
俺がそんなこと考えてると急に彼方が俺に話を振ってきたので、慌てて顔を上げた。
「こいつの女房は疲れるゼー!!」
俺を指差す彼方。
俺はムッとして言い返した。
「は?なんでだよ」