泡夏
「だって、ダーリンモテるんだもの。
ハニーとしては浮気しないか心配なのよ~」
おちゃらけて身体をクネクネさせてオネエ口調で話す彼方。
それを見て噴出す美月を見て、さっきの黒い感情は嘘のように吹き飛んだ。
変わりに、俺より先に美月を笑わせるなんて許せないという変な対抗心がメラメラと沸き起こった。
「そんなことないよハニー。僕の心は君のものさ。そんなに僕を疑うなら誓いのキスをしようじゃないか」
そう言って、俺が彼方に迫ると、彼方は可哀想なまでに青くなってヒッと、情けない声を出した。
「すいません、からかった俺が悪ぅござんした」
と、彼方が謝ってきた。
俺らのやり取りを見てた美月は華やかな声を上げて笑っていた。