泡夏
「オジちゃん、二人分よろしく」
店の肩にタオルかけたオジサンに俺は金を渡した。
「先輩!お金!!」
美月が慌てて財布から小銭を出そうとするのを俺はとめた。
「デートは男がおごるモンだよ」
さりげなくデートであると主張する俺。
「でも!!」
「これぐらいおごらせてよ。
俺の男としての面子がかかわってくるの」
そこまで俺が言うと、やっと美月は黙った。
「おーおー、兄ちゃん言うねェ。
そちらさんは彼女かい?大切にしてるんだね」
店のオジサンがからかうように言って来た。