泡夏
十六のアタシは
いつも息をひそめて、
うわべだけの笑顔を浮かべてる。
「明日から夏休みだが、
浮かれすぎて変な事故に巻き込まれるなよ」
担任の先生は夏休み注意事項のプリントを配りながらいった。
その後チャイムがなった。
これで一学期が終わった。
夏休み何処行く~みたいな話で、みんな帰らずに興奮したように喋っていた。
「美月ー!!今から貴樹先輩、
夏祭り誘いたいから、一緒に校門で貴樹先輩のこと待っててくれない?」
明菜は私にお願いのポーズをとりながら私を見上げた。
私は唇をかんだ。
明菜は可愛い。
身長は156cmで、茶髪のストレートのボブ。
メイクも上手くて、明るくて、
無愛想な私とは大違い。
明菜は友達として好きだけれど、たまにいい子すぎて、自分と比べて息が詰まるときがある。