泡夏
「お前らドコ行ってたんだよォーー!!」
彼方先輩が私たち、主に貴樹に向かって叫んだ。
明菜が消えた後、貴樹が携帯で彼方先輩に連絡し、落ち合ったのだ。
「射的終わってこれから花火見ようゼってときにふと見ると美月ちゃんとお前はいないしさァ!!」
彼方先輩の横にいる先輩もうんうんと頷く。
「ほら、明菜ちゃんもなんとか言っちゃってよ!」
「もう、ホント探したんですよ?好き勝手な事しないでくださいよぅ」
明菜は笑顔だった。
だけれども、目だけは異様な光でランランとしており、私は背筋が寒くなった。
その時、貴樹先輩が私の手を握ってきた。
まるで、俺が守るという言葉を証明するかのように。
「あれれェ?お前、何美月ちゃんの手を握ってんだよ!
もしかしてゴールしちゃったケイ?」
それを見た彼方先輩がすかさず茶化す。