泡夏
「ちぇッ!羨ましいなァ。

じゃあさ、明菜ちゃんは俺が送ろうか?」

下心丸見えの顔で彼方先輩は笑った。

「えーー!嬉しいですけど、先輩に悪いのでいいです!

それより明菜は美月と帰りたいな!」


それを聞いて私は肩を揺らした。

明菜が何考えてるのか全くわからない。


「明菜ちゃんー、駄目だよ、二人を邪魔したら~❤」

「馬鹿、何言ってんだよ。まあ、事実だけど」


「貴樹先輩、送らなくていいです。明菜と二人で帰ります」

明菜の思惑なんてまったく分からないけれど、

丁度、私も二人で話がしたいと思っていたのだ。


貴樹はそう言う私の目に何か感じたのか、何も言わず、うなずいて他の先輩と帰っていった。

















< 64 / 72 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop