泡夏
私と明菜はお互い無言で歩いた。
しばらくすると明菜が肩をゆらし、泣き始めた。
「う、うえん~ああううわ~ん。
なんで、なんでうう・・・・なんで、明菜を裏切ったのぅお~!!
と、友達だと思ってたのにィい!!」
私は明菜が泣く姿を見て、心が揺れた。
「私も貴樹先輩がずっと好きだったの。
今まで黙っててごめん」
私は俯いて言った。
私がごめんと言った瞬間、明菜は泣きやんでパっと笑った。
「じゃあ、わかれてくれるよね?
センパイは明菜のものなんだからぁ!!」
「それはできない。貴樹がホントに好きだから」
「明菜のセンパイを呼び捨てにしないでよ!」
瞬間、頬に痛みを感じた私は三秒後に、ああ、明菜に叩かれたんだなってやっと理解した。
それと共に、ムクムクと明菜に対する黒い感情が湧きあがってきた。