泡夏
「はぁ、しょうがないな」
彼はこっちを向いた。
私は彼の胸にすりより、彼はを私の背中に両手を回して私を抱きしめた。
「さっき言ってなかったけど、私も貴樹のこと高校入ったときからずっと好きだったの」
「ホントか?うれしいよ」
「グランドでボール投げてる姿に一目ぼれしたの」
私の顔はきっと真っ赤になってるだろう。
「・・・美月、ずっと一緒にいような。俺が二十歳になったら結婚しよう」
私は思わず顔を浮かせ、まじまじと彼の顔を覗き込んだ。
彼の目は月から差し込んでくる光にあたり、きらきらと漆黒に輝いていた。
「うん・・」
私は彼の胸板におでこをあて、今この一瞬の幸せが永遠に続くように祈ったのだった。
エンド