†Orion†〜Nao's Story〜
“四割方、俺にいってるだろ”
あたしは、まんまとヤツに嵌められてしまった。
四割どころか、もうすでに七割いっちゃってる。
あとの三割が埋められるのは時間の問題だ。
じっと森谷に見入っていると、ヤツは予測もなしにこちらを突然振り返った。
「!!」
やばい、あたしが見ていたの、バレたよ。
絶対にからかわれると思って、あたしは慌てて視線をそらす。
「斉藤」
「なっ、なによ」
ちがうちがう。
あたしは別にあんたを見ていたわけじゃ……。