†Orion†〜Nao's Story〜


うんうん、と首を傾げるお父さんに。

自分が悪いと分かっていながらも、軽く腹が立つ。



「“にこにこプー”のダンスを踊ってくれたら許してやるよ」


「え……覚えてないし」


「嘘だよ」



爽やかに笑うお父さんに、胸がうずく。


血は繋がっていなくても、この人は最高のお父さんだよ。

あたしを信じてくれた。

ただそれだけで、あたしは世界一の幸せ者だ。



「で、この大荷物は何なんだ? 優菜に頼まれたのか?」


「あ……」



あたしの代わりに、ドリンクがいっぱい入った買い物袋を持つお父さん。

首を傾げながら訊く彼に、あたしは素直に言う。



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