†Orion†〜Nao's Story〜


「あ、あの……」


「もう本当に、絶対にしないからっっ」


「森谷くん、あたしたち、すっごい反省しているから。ねっ?」



言って、ちらりと森谷を見る先輩の彼女。


なんだ? この空気は。

あたしに謝りながらも、彼女たちは森谷に対して恐怖心さえも抱いているし。



「ま、いっか。斉藤、許してやれ」


「え……、あぁ、うん……」



真犯人がやっぱり彼女たちだって分かって、普通なら腹を立てて文句のひとつでも言うところなんだと思う。この場合は。


だけど。

この異様な空気に、調子が狂う。



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