†Orion†〜Nao's Story〜
お父さんもお父さんだよ。
家では仕事のことなんて全然話さないから。
同じ学校の子がいるんなら、少しくらい教えてくれたって……
そうすれば、先輩と……
“先輩、彼女いるぞ”
“早く告白して現実を知ったほうが……”
目の前で、またあたしのお弁当に手を出す森谷。
こいつが言った言葉が、頭のなかをかき乱す。
「……って! なにすんだよ」
彼女がいるとか。
あたしより先に、先輩の情報を知ったこととか。
勝手に人のお弁当をつまみ食いしたり。
いろんなことがめちゃくちゃムカついてきて、あたしは森谷の頭を思い切り殴った。