†Orion†〜Nao's Story〜
「何これ何これっ! すごいっ、でかいっっ」
高さ30cmくらいはあるであろう大きなパフェ。
色とりどりのフルーツに、ぎっしりと詰まったいろんな味のアイスクリーム。
さっきまで、あたしはパフェに大喜びするような子供じゃない、と思っていたくせに。
実物を見るなり、あっという間に心を奪われてしまう。
「あたし一人で食べてもいいの? さくらの分、ある?」
「うん、さくらは帰りが遅いみたいだから。さくらの分はゴハンの後に作るよ」
「いただきまーすっ」
添えられたロングスプーンを手に取り、あたしはパフェグラスの中にそれをねじ込み、まずアイスから口に運ぶ。
「ああぁぁっ。奈緒、てっぺんのフルーツから食べないと……」
「いいのー。フルーツは最後のお楽しみー」