†Orion†〜Nao's Story〜


姉の恋愛成就を知って、さくらは大はしゃぎであたしに抱きついてきた。



「うわー、おめでとうっ! 今度紹介してね」


「いやぁ……なんか恥ずかしい」



さくらは緩みきった顔で、クローゼットの奥から小さな箱を取り出した。



「はい、これ。お姉ちゃんにあげるよ。先輩の彼女になれたお祝い」


「なに?」



小首を傾げながら箱を開けると、そこには小ぶりの淡いピンク色の石がついたピアス。



「ピアス……って、さくら、穴開けてんの?」


「ううん。お父さんから許可が出たら開けようと思って、先にピアスだけ買っといたの」



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