†Orion†〜Nao's Story〜


しかたなく、あたしは自分の部屋に戻った。



ピアスを開けるなんて、別に今日でなくてもいいと思う。

でも、目の前にキラキラと輝くピアスがあるもんだから。

どうしても今日、開けたくて開けたくてしかたない。



持ってきた氷で、まず右の耳たぶから冷やし始める。

確か……感覚がなくなるまで冷やすんだよね。



「……っ……」



次第に感覚を失い始める耳たぶ。

冷たさが増して、微妙に頭痛がしてくる。



もう、いいかな。

そう思って、消毒液に浸した安全ピンの針を耳たぶに突き立てた瞬間……


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