僕らの、
「…………」
今までの私なら、すぐにでも、メンバーの元へ駆け付けただろう。
…でも、今は、これからは、違うんだ。
「純たちのことは許すよ。」
『じゃあ…!』
「でも、ごめん…私、新しくバンドに加入することにしたから」
これからは、REDWINEの皆と、笑い合いたい。
私がREDWINEに入って、もし何かを壊してしまっても、全てマサの責任にしてしまおう。
いつまでも、頑固に、
私に対してだけ、なかなか諦めず、頑固に私を誘い続けたマサの責任だ。
話の分かるマサが、ここまで諦めなかったのはきっと、私の変わりがいないって思ったからでしょ?
自惚れても、大丈夫でしょ?
マサの顔が、すごく明るくなったのが分かった。
そしてなにを思ったか、私の携帯を取り上げ、電話の向こうの相手に大声で話しだした。
「そうそう!!本日より立川律子は我々REDWINEの大切なドラマーや!!!立川律子はさっさと諦めて新しいドラマーを探すことやな!!まあ、立川律子の変わりがおるとも思えへんけどな!!わははは!一度立川律子を手放したんがお前らの運のつきや!」
『は!?REDWINEって…お前まさか!!』
「んじゃあな!わははは!」
マサは携帯の電源ボタンを押した。
「…ちょ、マサさん!!何勝手なことやってるんですか!?」
「はは!!…これから、よろしくな、“リツ"!」
携帯を私に差し出し、マサは微笑んだ。