僕らの、
マネージャーさんの話は本当だった。
REDWINEとクリアは、収録中、他のゲストが司会者と喋っている合間になると楽しそうに喋っていた。
クリアとこんなに仲が良かったのに、なんで私、REDWINEの存在に気付かなかったんだろう…
それにしても、コンサート以外で、クリアに会えるなんて。
コンサートは、なんだか気恥ずかしくて行ったことがなかったので、生でクリアを見るのは初めてだ。
あぁ~かっこいいなあ、かわいいなあ。
そうこうしているうちに、REDWINEが司会者と喋る番になった。
「なに?タクくんは、最近新しい趣味ができたの?」
「あ、はい!あのですね、最近、やっと本を読むようになりまして」
「今まで本読まなかったんだ」
「聞いてくださいよこいつ本間に本読まんかったんですよ!なんでしたっけ、あのベストセラーになった小説!誰でも読むような本やったから、勧めたったのに、『読まない』の一点張りで、最後には俺に向かって『ウザイ!!』言うて俺んことどつきよるんですよ!」
「マサくん本当によく喋るね~ちょっと黙っててくれる?」
「えっそりゃ無いでしょ!」
「いや、だって、今タクくんと喋ってるしね?あとで話聞いてあげるからさ」
「黙れやマサ」
ユウにまで怒られて、マサはしょげていた。
「本読むようになったのは、あの、クリアの宏ちゃん…宏太郎くんが本勧めてくれたおかげで」
!!またクリアの話だ!
本当に仲良しなんだ。
宏ちゃんこと、宏太郎も、嬉しそうにうなずいている。
「そうなんだ。本当仲いいよね」
「はぁなんやねんタク!ほんなら、なんで俺が本勧めたったときにはウザイ言うて断んねん!!」
「マサくんは押し付けがましいんだもん」
「黙れやマサ」
まあ…バンドマンかつ、関西人らしいトークレベルではあるんだろうな。