僕らの、
再び楽屋。
「知名度低いとか言ってすみません」
「分かってくれりゃあいいねん!!!」
「ていうか、そんなこと言われてたんだ…」
収録が終わり、お疲れの3人は椅子にどっかりと座り、マネージャーさんは私の横に立っていた。
「で、どうや立川さん?こいつらのこと、覚えたってくれたか?」
「あ、はいもちろん!」
クリアとこんなに仲良しだなんて、むしろ要チェックだし!!
それに
「本当、すごい良い演奏でした!」
彼らの実力は、きっと本物だ。
「急に敬語使われ出したら戸惑うな~!……で、俺らが聞きたいのは、感想やないねん。立川さん、俺ら、本気で、バンドメンバーにあんたが欲しい。」
マサが少し真剣な目になった。
「あ、それは無理です!」
「…え、ぅええ?」
「私、こんなにすごいバンドのドラムなんて、出来る気がしないです」
それに、きっと、この人達にはこの人達なりの絆があるんだ。
そこに、私が割り込む訳にはいかないから。
私は頭を下げた。
「なあ…立川さん、俺言うたやろ?俺ら、立川さんみたいなドラマーさん探してたって。」
「…………」
「そんな謙虚な理由で断るんやったら、それは理由とみなさへん。もうちょい考えてくれ。」
マサはさらに真面目な顔で言った。
「信ちゃん」
タクさんがマネージャーさんに何か合図を出した。
「ハイハイ…立川さん、これ、俺の連絡先。決断したら、連絡くれ。」
私は、それを受け取った。
「………はい」