解き放つ時。
でも、泣いてばかりはいられない。俺には真実を知る権利がある。



真っ赤な目をしたまま、下に降り姉ちゃんの隣に座ってる母さんの前に立った。うなだれてる母さんの顔を無理矢理持ち上げて目を合わせた。



「母さん宛ての遺書は?」


「………」



「あるんだな?」



「シンゴは読まない方が…ー」



「出せ」



「でも…ー」



「早く出せ!」
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